理学療法士として病院に勤めていました。

私は病院を退職する決意ができないまま

ずっと悩んでいました。

 

このまま定年まで病院で働くのか

それとも新しい人生に踏みだすのか

 

私には明確な夢や目標が

あったわけではありません。

 

でも

このままの人生はなにかが違う

そう思っていたのです。

 

そんなとき私は事故にあいます。

 

事故後

私は真っ白な紙に何かを吐き出すように

ひたすら意味のもたないものを

描いていました。

描きながら

心が死の恐怖から解放されていくのを

感じていました。

 

今のこの私で死ぬのは嫌だ!

 

そんな思いが私の背中を押しました。

 

絵を描きつづけたい。

 

 

離れて暮らしている母には何も言わず

病院を退職しました。

 

私ももういい年。

自分の人生は

自分で責任をとらないといけない。

自分の人生は自分で決める。

 

 

退職した頃の私は

絵が描きたい、絵の仕事がしたい

でも何からすればいいのかわからない

そんな状態でした。

 

 

そんななかで私が描いた絵は

れんげ草でした。

れんげ草に意味があったわけでは

ありません。

 

 

離れて暮らす母が

一人暮らしの私のところへ来たとき

私は退職したことをうちあけました。

 

丁度れんげ草を描き終えたところでした。

 

退職したと聞かされた母は

ショックをうけていました。

「絵の仕事なんてうまくいかない。」

そう言い帰って行きました。

 

友達からも言われたことでした。

「絵の仕事なんてうまくいかないから

絵の仕事なんてやめておいた方がいい。」

 

 

母が帰ってひとりになると

私は泣いてしまいました。

 

 

味方のいない孤独感

後戻りできないという思い

上を向いて前に進んでいくしかない覚悟

 

 

私は描き終えていたれんげ草の上に

みつばちを描きたしました。

 

 

みつばちは私。

上を向いて歩いていく。

 

 

絵には描いたときの心があらわれます。

 

れんげ草の花言葉は

『心が安らぐ

あなたと一緒なら苦痛がやわらぐ』

 

このときは何も考えず描いたれんげ草。

 

でもれんげ草は

新しい世界に踏みだした私に

決してひとりではないということを

伝えてくれています。

 

これは心からのメッセージ。

そして未来の私からのメッセージ。

 

 

私はこの絵をみるたびに

勇気や希望をもって前に進んでいこう

そして

私はひとりじゃない

 

そう思うのです。

 

 

『絵』は私にとって

大切な存在です。